はじめに
「けんしん」という言葉は広く使われていますが、漢字で書くと「健診」と「検診」の2通りがあります。この2つの違い、わかりますか?
「人間ドック」も聞いたことがあると思います。「人間ドック」は「健診」「検診」と何が違うのでしょうか?
総合診療医かずきのブログでは予防医学に関する記事もアップしていきます。今回はその第一弾として、「健診」「検診」「人間ドック」について、その意味・違いについて解説していきます。
「健診」と「検診」
まず、「健診」と「検診」の違いから解説します。

「けんしん」に「健診」と「健診」があるんですね。どちらも同じだと思っていました。どういう違いがあるのですか?

実は違いがあるんです。
「健診」は文字通り、健康であることを診断することが目的になります。例としては、一般の健康診断や乳幼児健診があります。
一方で「検診」は、特定の病気が隠れていないかを検査することが目的のものになります。胃がん検診、肝炎ウイルス検診、子宮頸がん検診などがこれにあたります。

なるほど、そういう違いがあるんですね。知りませんでした。
- 健診
- 健康であることを診断するもの
- 例:1歳半健診、3歳児健診、労働者健診など
- 検診
- 特定の病気が隠れていないかを検査するもの
- 例:がん検診、肝炎ウイルス検診など

ただ、健診によっては、その一部が検診に含まれることもあったりします。
健診で血液検査が行われることが多いのですが、それによって貧血のチェックや肝疾患のチェックができるので、これは「検診」にあたりますよね。

へー、そうなんですね。
かずき先生、「人間ドック」という言葉も聞いたことがあるのですが、これは「健診」や「検診」とどう違うのですか?

良い質問ですね。では、次は「人間ドック」について解説しますね。
人間ドック

人間ドックは、「健診」や「検診」の一般的な項目に加えて、さまざまな検査項目をオプションで選択できるサービスです。
例えば、腹部エコーや胸部CTを追加したり、脳MRI・腫瘍マーカー測定など、さまざまなオプションが選択可能です。
その分、費用が高額になります。企業では、福利厚生として行っているところが多いですね。
- 人間ドック
- 「健診」や「検診」の一般的な項目に加えて、さまざまな検査項目(腹部エコー、胸部CT、脳MRI、腫瘍マーカー測定など)をオプションで選択できるサービス
- その分費用が高額になる。企業が福利厚生として行っていることが多い。

人間ドックってかなり充実してそうですね。
お金はかかっても人間ドックを受けたほうが良さそうですね。健康のために予防は大切ですからね。

実は、、、必ずしもそうではないのです。

え、違うんですか?検査で早期発見することが大切だと思うのですが、、、

リスクの低い人にやみくもに検査をすると、本当は病気じゃないのに異常値として検査結果が出てきてしまう、いわゆる偽陽性が問題になってきます。
また、治療しなくても良いような病気がみつかってしまい、不安だけが募ってしまったりすることもあり、検査による弊害もあるのです。

そうなんですか、、、 よく理解できないのですが、、、、

では、このことはまた詳しく説明しますね。
今回は、「健診」「検診」「人間ドック」の違いを覚えておいてください。

はい。それは理解できました。
また、教えて下さい。
まとめ
- 健診
- 健康であることを診断するもの
- 例:1歳半健診、3歳児健診、労働者健診など
- 検診
- 特定の病気が隠れていないかを検査するもの
- 例:がん検診、肝炎ウイルス検診など
- 人間ドック
- 健診」や「検診」の一般的な項目に加えて、さまざまな検査項目(腹部エコー、胸部CT、脳MRI、腫瘍マーカー測定など)をオプションで選択できるサービス
- その分費用が高額になる。企業が福利厚生として行っていることが多い。
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