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セルフケアでコントロールする!片頭痛

よくある病気
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はじめに

 片頭痛で困っている方、多いのではないでしょうか。片頭痛の痛みは比較的強い痛みで、日常生活や社会生活に影響を与えてしまいます。

 片頭痛に悩む方は自分なりの対処法を身に着けている方も多いのですが、間違ったやり方で逆に頭痛を悪化させているケースもあるのです。一方、適切な知識をもってセルフケアすることができれば、多くの片頭痛の方は、日常生活・社会生活への影響を最小限にしながら過ごすことは可能です。

 わたくし総合診療医かずきは、頭痛に興味をもって長年にわたり頭痛診療に関わってきました。その経験と知識をもとに、片頭痛のセルフケアについてみなさまに解説します。この記事を読んで、医学的根拠に基づいた片頭痛のセルフケアを理解して、日々の健やかな生活を実現してください。

あなたの頭痛は片頭痛か?それ以外の頭痛か?

 まず、あなたの頭痛が「片頭痛」か、それ以外の頭痛かを判断しましょう。

 片頭痛の痛み、どのような痛みが思い浮かぶでしょうか?

  • 頭の片側の痛み
  • ズキンズキンと脈を打つような痛み
  • 頭痛が起こる前に、目の前がチカチカ光るような感じがする
  • 頭痛と同時に吐き気がある
  • 音や光に過敏になる
  • 体動で痛みがひどくなる

 このような症状を思い浮かべる人が多いかもしれません。これらの症状はすべて片頭痛の特徴ですが、実はすべての片頭痛の方がこれらの症状をすべて持っているわけではありません。

 例えば、片側の頭痛は片頭痛の半数くらいなのです。片頭痛という名前なのに、片頭痛の約半数は両側性なのです。驚きですね!脈打つような痛み(拍動性の痛み)も実は半数程度と言われています。

 頭痛の前兆として目の前がチカチカ光るような感じになることを「閃輝暗点(せんきあんてん)」と言いますが、片頭痛全体の約3割程度の方にしかこの閃輝暗点はありません

 では、何を基準に片頭痛かどうかを判断すればよいのでしょうか?診断基準というものもあるのですが、前兆の有無で基準が異なっていたり、かなり複雑です。

 ここでは、総合診療医かずきがわかりやすい片頭痛の特徴を極論でお伝えします。

繰り返す頭痛で、日常生活動作(歩行、階段昇降)で頭痛がひどくなり、頭痛の程度は中等度から重度であるもの

 この基準で判断することをおすすめします。正式な診断基準とは違うので診断の正確性は下がりますが、後述する「絶対に受診すべき頭痛」をしっかり把握していれば、それ以外の頭痛については医療機関への受診は急がないので、まずセルフケアをする方針で間違いではありません。

 上記の基準に合致するかどうかをご確認ください。合致する方は「片頭痛」としてセルフケアを試してみて良いでしょう。

片頭痛のセルフケア

 では、本題の片頭痛のセルフケアについて解説します。

 最重要ポイントを伝えます。

片頭痛の痛みが出始めたら、ひどくなる前に早めに痛み止めの薬を飲む!

 これがセルフケアの最重要ポイントになります。薬を飲むタイミングが遅くなってしまうと、痛みがひどくなってしまい日常生活への影響がどんどん大きくなってしまいます。痛みが出てから病院を受診しても待ち時間があるでしょうし、診察のあとに処方箋をもらって薬局で薬を出してもらうまでにさらに時間がかかってしまいます。その間に片頭痛の痛みはどんどん悪くなってしまいます。セルフケアですぐに対応するのが望ましいのです。

 では、どのような痛み止めを飲むのが良いのかを解説します。

 それは、アセトアミノフェンまたは非ステロイド系消炎鎮痛剤になります。これらは比較的安価な薬で、かつドラッグストアで処方箋なしで購入可能です。したがって、ここで推奨しているセルフケアは、最もコストパフォーマンスの良い片頭痛対策とわたくしは考えています。

アセトアミノフェン

 アセトアミノフェン(商品名 カロナールA)は解熱薬として有名ですが、痛みを抑える作用もあります。アセトアミノフェンは胃への負担が少ないので、胃の調子が悪い方・以前に胃炎や胃潰瘍を起こしたことがある方は、非ステロイド性消炎鎮痛薬よりこちらのアセトアミノフェンを選択しましょう。

 ご紹介したカロナールAは、ドラッグストアで購入できるいわゆるOTC薬です。他にもアセトアミノフェンのOTC薬はいくつかあるのですが、どれも「1回1錠内服 1日3回まで」という用法になっています。1錠=300mgなので、1回にアセトアミノフェンを300mg内服することになります。

 一方、病院や診療所でわれわれが処方するときの用法用量は以下のようになっています。

<各種疾患及び症状における鎮痛>

通常、成人にはアセトアミノフェンとして、1回300〜1000mgを経口投与し、投与間隔は4〜6時間以上とする。なお、年齢、症状により適宜増減するが、1日総量として4000mgを限度とする。

 かなり1回の容量、1日の総量が変わっていますね。一般的には1回量として400〜600mgくらい処方されるのが普通だと思います。わたくし総合診療医かずきは、片頭痛で処方するのであれば1回600mgの量で処方しています。

 みなさまがOTC薬を使うときは、やはりその用法用量を守ることが基本になります。それ以上の場合は、あくまで自己責任でということになります。

 ひとつ追加しておくことがあります。アセトアミノフェンのOTC薬の用法・容量を読むと、最後にこの一言が書いてあります。

なるべく空腹時をさけて服用して下さい。

 片頭痛は嘔気を伴うことが多いし、前述の通りタイミングを逃すと痛みがひどくなってくるので、早く薬を飲んだほうが良いのです。その時に空腹だったらどうしたら良いのか?

 片頭痛の場合は、空腹時を避けて内服することよりも、早く薬を飲む方を優先したほうが良い、ということです。なるべく空腹時をさける、ということですが、空腹時に飲むのが禁止されているわけではありません。前述の最重要ポイントである、「片頭痛の痛みが出始めたら、早めに痛み止めの薬を飲む!」を優先しましょう!

非ステロイド性消炎鎮痛薬(イブプロフェン、ロキソプロフェンなど)

 アセトアミノフェンに続き、非ステロイド系消炎鎮痛薬も有力な選択肢になります。イブプロフェン、ロキソプロフェンが代表的な薬です。これらのOTC薬もさまざまありますが、代表的なものを紹介します。

 このディパシオEXは、イブプロフェンを1回200mg内服することができます。他にもイブプロフェンのOTC薬はたくさんあるのですが、1回に内服するイブプロフェンの量が100mgから200mgまでさまざまです。片頭痛で使用する場合は、1回200mg使用することをおすすめします。そうじゃないと効果が弱いからです。(1回200mgというのは病院で処方される量と基本的に同じです。)イブプロフェン1回200mg内服できるOTC薬は他にもいくつかありますので、どれでも良いでしょう。

 このロキソニンSは、ロキソプロフェンを1回60mg内服することができます。これは病院で処方される量と同じです。こちらもおすすめです。

 イブプロフェンもロキソプロフェンもさまざまなOTC薬があります。中には、胃粘膜保護成分が含まれているものもありますが、これにはこだわらなくても良いでしょう。非ステロイド性消炎鎮痛薬によって胃炎・胃潰瘍を起こすことがありますが、それを予防する薬剤としてエビデンスがあるのはミソプロストールとプロトンポンプインヒビターの2種です。胃粘膜保護成分を含む非ステロイド系消炎鎮痛薬でこれら2種が含まれているものはありません。さらに、イブプロフェンもロキソプロフェンも非ステロイド系消炎鎮痛薬の中で、そこまで胃に悪影響を与える薬ではありません。1日3回で毎日飲み続ける場合は気をつけなければいけませんが、片頭痛で痛みが出たときにときどき飲む程度であれば、そこまで胃粘膜保護に気をつける必要はありません。どうしても気になる方は、非ステロイド系消炎鎮痛薬ではなくアセトアミノフェンを選んだほうが良いでしょう。

 妊娠中の方は非ステロイド系消炎鎮痛薬を避けたほうが良いです。アセトアミノフェンを選択しましょう。

病院を受診したほうが良いケース

 片頭痛のセルフケアで重要なのは、どのようなときに受診したほうが良いのかを把握しておくことです。ここが最も重要なポイントと言っても過言ではないかもしれません。では、いくつかのパターンに分けて解説していきます。

超緊急!!くも膜下出血が疑われる頭痛

 頭痛の中でも最も重症なのがこの「くも膜下出血」という病気です。詳細を語ると長くなるので割愛しますが、多くは脳動脈瘤の破裂で起こります。全体では半数程度の方が亡くなってしまう、運良く病院までたどり着いたとしても1/3の方が亡くなってしまう、という重い病気です。

  • 人生最悪の頭痛
  • 数秒から数分でピークに達する突発完成形の頭痛

 これらのいずれかに該当する場合はくも膜下出血の可能性があるので、緊急で医療機関を受診すべきです。状況によっては救急車を呼ぶことも必要でしょう。

片頭痛のセルフケアを行っても改善しない

 今まで解説したセフルケアを行っても頭痛が改善しない場合は、やはり医療機関への受診をおすすめします。このようなケースでは、トリプタン製剤の内服または注射、制吐薬の内服または注射が選択肢となります。

1ヶ月に10回以上、片頭痛発作がある

 これくらい頭痛発作があり薬を飲んでいる方は、頭痛予防薬を内服した方が良いと言われています。(ここでは月10回以上としましたが、7回以上という意見もあります。)これくらい頻度が多くなると鎮痛薬を飲む回数も増えていき、後述する「薬剤誘発性頭痛(薬剤乱用頭痛)」に移行しやすくなります。こうなってしまうと治療が難しくなってくるので、そうなる前に頭痛予防薬を使って鎮痛薬を飲む回数を減らすようにした方が良いのです。

薬剤誘発性頭痛(薬剤乱用頭痛)が疑われる

 薬剤誘発性頭痛(薬物乱用頭痛)とは、頭痛薬や鎮痛薬などの薬を過剰に服用することで起こる頭痛です。頭痛薬を常用すると脳が痛みに敏感になり、頭痛が起こりやすくなるのです。今回紹介しているアセトアミノフェンや非ステロイド系消炎鎮痛薬でも起こりますし、その他の片頭痛治療薬(トリプタン製剤、エルゴタミン製剤)でも起こり得ます。痛み止めの薬を飲む回数が増えてきて(月10回以上)、今まではときどき痛くなっていた片頭痛が気づいたら毎日痛くなってきている、という場合は薬剤誘発性頭痛(薬剤乱用頭痛)が疑われます。医療機関を受診することをおすすめします。

 この薬剤誘発性頭痛(薬剤乱用頭痛)は治療がなかなか難しく、これに対応できる医師はかなり少ないのが現状です。頭痛診療に精通した医師・医療機関を受診するようにしましょう。頭痛診療に力を入れていることがホームページなどで確認できるような医療機関が望ましいでしょう。

まとめ

 では、片頭痛のセルフケアについてまとめます。

  • 繰り返す頭痛で、日常生活動作(歩行、階段昇降)で頭痛がひどくなり、頭痛の程度は中等度から重度であるもの、を片頭痛として、セルフケアの対象とする。
  • 片頭痛のセルフケアとして最重要ポイントは「片頭痛の痛みが出始めたら、ひどくなる前に早めに痛み止めの薬を飲む!」ことである。
  • 痛み止めの薬としては、アセトアミノフェン非ステロイド系消炎鎮痛薬がコストパフォーマンスの面でおすすめである。
    • アセトアミノフェンのOTC薬は1回300mg、一方病院で処方される場合は1回400mg〜600mgなので、やや量が少ない。
    • 非ステロイド系消炎鎮痛薬として代表的なイブプロフェンロキソプロフェンは、病院で処方される容量と同じものがOTC薬で選択できる。
    • イブプロフェンであれば1回200mg、ロキソプロフェンであれば1回60mg服用できるOTC薬を選択する
    • 胃粘膜保護成分が含まれる非ステロイド系消炎鎮痛薬をあえて選択する理由はない。たまに内服する程度であれば胃炎・胃潰瘍のリスクはそれほど高くないが、気になる方はアセトアミノフェンを選択する。
    • 妊娠中の方はアセトアミノフェンを選択すべき
  • 以下に該当するときは病院を受診する。
    • くも膜下出血が疑われる頭痛
      • 人生最悪の頭痛
      • 数秒から数分でピークに達する突発完成形の頭痛
    • 片頭痛のセルフケアを行っても改善しない
    • 1ヶ月に10回以上、片頭痛発作がある
    • 薬剤誘発性頭痛(薬剤乱用頭痛)が疑われる
      • 痛み止めの薬を飲む回数が増えてきて、ときどき痛くなっていた片頭痛が気づいたら毎日痛くなってきているような場合

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